ご相談についてご説明いたします。

相談について

●最近の判決から

女性に対する長期監禁事件について、今年の1月22日に被告人を懲役14年に処する旨の判決がありました。
ところで、監禁罪の最高刑は懲役5年です。この事件では、長期にわたる監禁により精神的な傷害を負わせたとして監禁致傷としました。
監禁致傷罪の最高刑は懲役10年です。検察官は、これでも軽すぎると考えて、些細な万引事件も起訴して(普通なら不起訴でしょう)、両者併せて最高の刑が懲役15年となるので、懲役15年を求刑したのです。
私は、かつて、罪刑法定主義という言葉を金科玉条のごとくそらんじてきました。
刑法関係の本であれば、必ず書かれている言葉です。
しかし、今回の判決を見ると、罪刑法定主義というのは、天皇陛下万歳という呪文みたいなもので、状況が変われば、馬鹿者扱いです。これについて、学者が一言も発言しないのが、日本人らしい。
ただ、私は、刑が間違っていると言っているのではありません。罪刑法定主義の見地からすると、決して正しい判決ではないということが言いたいのです。
従って、この場合には、罪刑法定主義は関係ないんだと言ってくれれば有難いのです。ところが、そういうことも言わないで、一体全体どういう理由で今回の判決が許されるのか、その点をはっきりしてほしいんです。
そもそも、こんな煮え切らない事態に至った原因はどこにあるんでしょうか。
それは、正に、検察庁、法務省にあります。無能な国会議員には、敢えて責任を求めません。どういうことかというと、戦後、刑法の罪について、一度も検討しないで放置していたということです。明治の頃、平均寿命がそれこそ50から60歳程度の頃に作られた法律が、懲役刑の長さについて全く検討をしなかったということが最大の原因なんです。その点は、刑法学会にも責任があるでしょうね。
しかし、我が国の学者は無能な人がほとんどなので仕方がないのかも。
要するに、全体に、刑罰が軽すぎます。そういう点では、検察庁はもっと重罰化にむけてアピールすべきで、裁判所も、もっと重い判決をどんどん出すべきです。
何億円も脱税して執行猶予では、真面目に税務申告する気にはなれません。
駐車違反をしても、レッカー代をあわせて数万円程度のことなら、つかまったらその時だ、という気になるだけですね。暴走族が、深夜に信号無視を繰り返して、騒音けたたましく暴走しても、捕まりさえしないんだから、善良な市民は減る一方です。彼らは、すべて死刑にしても、だれも困らないんです。
むしろ助かる人の方が多いでしょう。医学の世界でも、同じように、生かす必要のない人まで、人道主義の見地からといって人工呼吸器をつけて生かしていますが、あれはどう見ても間違いです。
少々脱線しましたが、私は、そういう意味で、現在の刑罰、刑事手続はすべて甘すぎると言いたいのです。無実の人を処罰することは間違っていますが、罪を犯した以上は、厳重に処罰して、場合によっては、一生涯刑務所に放り込むということも必要ではないでしょうか。ただ、そうすると、余分に税金がかかりますので、もっと死刑を増やすべきでしょう。それに、死刑判決を早く執行すべきです。死刑については、少数ながら廃止論者が根強くいますが、私は、そういうことを主張する人の人権感覚を疑いたくなりますね。特に、刑事法の大家で死刑に反対している人がいますが、冤罪がある以上は死刑は廃止すべきだなどと言うんです。そんなことは、死刑廃止の理由にはなりません。そんなことを言うんなら、最近の刑事司法についてはどう考えるんでしょうか。
それに、「疑わしきは罰せず」という言葉がありますが、実際には、実務では「疑わしきは罰する」という考え方で進められていると言っても過言ではない気がします。実際、それでも、ほとんど支障はありません。むしろ、真に、「疑わしきは罰せず」を実行すると、大変な社会になってしまいます。
そういう社会を、私は歓迎しません。
善良な市民が、正直者が、損をしない社会の実現を目指して、その最初の一歩として、犯罪の重罰化と死刑の積極的適用を主張しませんか。

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